ワンちゃんに手作りご飯をあげようと思った時に、よくある悩みの一つが「食材の分量」についてです。
手作り食の本は多く出版されていますが、ある程度の基準は書かれていても、分量については細かく書かれていない事が多いと思います。
犬の手作りご飯の割合目安は専門家によって見解が異なりますが、タンパク質を過剰にあげすぎると臓器の負担に繋がるので、肉や魚のたんぱく質「1~1.5」に対して炭水化物が「0.5~1」、野菜が「1」程度になるよう調整するのが無難だと思います。
ご飯の量は多かったとしても、少なかったとしても、それで何か緊急事態になるという事は少ないので過敏になる必要はありません。ワンちゃんの体型の変化をみて調整していくというのが手作りご飯の考え方です。
栄養を偏らせない、いろいろな食材を食べてもらうというのが手作りご飯のポイントです。
でも、適当で良いと言われても何かしらの基準がほしい!!という方も多いと思います。そこで今回は手作りご飯の中心になる
ワンちゃんに手作りご飯をあげようと思った時に、よくある悩みの一つが「食材の分量」について。 手作り食の本は多く出版されていますが、ある程度の基準は書かれていても、分量については細かく書かれていない事が多いと思います。 ご飯の量は多かったとしても、少なかったとしても、それで何か緊急事態になるという事は少ないので過敏になる必要はありません。 ワンちゃんの体型の変化をみて調整していくというのが手作りご飯の考え方です。 でも、適当で良いと言われても何かしらの基準がほしい!!という方も多いと思います。そこで今回は手作りご飯の中心になる動物性食品(肉類、内臓類、魚介類)の分量の決め方として、一つの例をご紹介いたします!
タンパク質の最低摂取量
タンパク質というよりはタンパク源(またはアミノ酸)といった方が正しいのかもしれませんが、最低限必要なタンパク質をまず算出して、次に肉類、魚介類の量を決めていきます。 小動物の臨床栄養学(日本ヒルズ・コルゲート株式会社)の第5版P310の項目で成犬時のタンパク質最低摂取量は
成犬時の1日タンパク質最低摂取量
4.3g~5g×代謝体重(体重kgの0.75乗)
が推奨されると書かれています。
生物価=70の場合とされているので、乳、肉、魚などの動物性タンパク質で摂取した場合になります。
体重(kg)の0.75乗というのは代謝体重と言われますが、恒温動物のエネルギー要求量は体重ではなく代謝体重に比例するというデータがあり、犬の摂取カロリーの計算にも使われます。
我が家のワンコで肉の必要量を計算してみる
うちのトイプードルは体重が約2.5kgです。
まず代謝体重を算出するために体重kgを0.75乗します。
0.75乗は3/4乗という事になるので、体重kgを3乗して√を2回求めれば計算できます。
電卓を使った代謝体重の計算方法
電卓があると簡単で
2.5kg × = = √ √
代謝体重は約1.99kgとなりました。
これに4.3gを掛けた数字がタンパク質の最低摂取量になります。
4.3g×1.99(kg)= 約8.5g
5g×1.99(kg)=約10g
2.5kgの成犬が1日に必要なタンパク質は8.5g~10gというわけですね。
必要な馬肉の量は?
では、例えばこのタンパク質量を馬肉で補うには、どれだけの量が必要なのか計算してみます。
食品の栄養素を調べるには文部科学省の食品成分データベースが便利です!
馬肉を検索してみると。。
100gあたりに含まれるたんぱく質は20.1gとなっています。必要なたんぱく質は8.5g~10gでしたので
1日に必要なたんぱく質を馬肉で補うには「42g~50g」となりました。
で、実際に我が家の食事の量はというと、肉、魚介類は1日2食で1食15~20g与えています。
他の食材にもたんぱく質は含まれていますし、肉をオヤツであげたりするので、これぐらいで丁度良いと考えています。運動量が多くエネルギーを沢山消費する子はもっと増やした方が良いかもしれません。
肉類や魚介類は適当にローテーションしているので、馬肉以外でも15~20gで適当に調整している感じです。
あとは、植物性食品(穀物、野菜、芋、豆、海藻など)を同じぐらい混ぜて与えています。
1日に必要なカロリー、栄養素の計算に役立つサイト
これまでの面倒な計算をしなくても簡単に数字を算出してくれるサイトがあります!
犬猫の栄養を自動計算してくれるツールです。
米国学術研究会議(NRC)、米国飼料検査官協会(AAFCO)、小動物臨床栄養学のガイドラインを基準にしているそうで、複雑な計算を一発で算出してくれるのでとても便利です。
先ほどの計算では8.5g~10gだったので、大体同じぐらいですね。食材のデータも文部科学省食品成分データベースを使っているので、分量を自分で計算する手間が省けます!
手作り食で摂取しづらいカルシウムや亜鉛といった栄養素も計算してくれるのでオススメです。
栄養素の計算が面倒という方は参考にしてみてください。
カロリーの計算方法
最後に犬のカロリーの計算方法をご紹介します。
カロリー計算ではDER,RERといった用語が使われます。
犬は生きていくために必要な「1日当たりのエネルギー要求量」をDERと言います。DERを求める際の計算式は「RER×係数」です。「RER」とは「安静時エネルギー要求量」のことで「健常な動物が、気温は中程度の環境で休んでいるが絶食はしていない状態でのエネルギー要求量」と定義されます。まずRERから計算していきます。
2.5kgで計算すると139kcalとなります。
安静時エネルギー要求量がわかったら、そこに係数を掛けて一日に必要なエネルギー量(RER)を計算します。一般的に用いられている係数は以下になります。
- 1歳以上の成犬=1.8
- 不妊手術済みの犬=1.6
- 活動的な犬=1.6
- 肥満傾向の犬=1.4
- 減量中の犬=1.0
- 集中治療中の犬=1.0
- 増量中の犬=1.2~1.4
- 妊娠期の犬=1.8~3.0
- 泌乳期の犬=4~8
- 成長期の犬=3
- 老犬=1.4
先ほど計算したDERが139kcalでしたので、不妊手術済みの犬「1.6」を掛けると
139kcal×1.6=222.4kcal
と一日に必要なカロリーが算出できました。
上で紹介した栄養素計算ツールの数字は222.7kcalだったので大体同じですね!
1日に必要なカロリーとタンパク質を計算しておくと、手作り食の分量を決める時の目安になるので安心です。
手作りご飯は栄養管理に注意を
手作りご飯は食材の素材については、人間の食材を使っているので質が保証されていますが、栄養が偏ったり、または足りない栄養素が出てくる。という部分。
僕も愛犬に手作りをやっていますが、手作りのみだとどうしても満遍なく栄養素を摂取するのが難しかったりします。
我が家は今はテラカニスの缶詰を中心にして、時々アーガイルディッシュのドライフードやメメントというサプリメントをトッピングしています。
テラカニスの缶詰は毎日使うにはコストが高くなってしまうので、メメントのようなサプリメントやドライフードをサプリメント代わりにトッピングしてあげるのが簡単かなと思います。
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