今日はトリマーがプードルのカットによく使うカーブシザーについて書こうと思います。
美容師の鋏もカーブシザーはありますが、トリマーはプードルの曲線を作る目的ですが、美容師のカーブシザーは質感調整に使う目的のものがほとんどです。
トリマーのカーブシザーは形を作るため。美容師のカーブシザーは毛量を調整するため。
という違いがあります。
最初の1丁は7インチ前後がおすすめ
鋏を探す時はまず大きさを決めましょう。 万能に使えるサイズは7インチ前後のカーブシザーです。 トイプードルの頭やデザインカット、胸やアンギュレーションなど幅広く使えるのが7インチです。
取り敢えずカーブシザーが1丁欲しいなーという感じなら、6.8~7.2インチから選べば間違いありません。
スタンダードプードルなら7インチ以上
スタンダードプードルのカット時間短縮のためにカーブシザーを探している場合は、最低でも7インチ。出来れば7.2~7.5インチが使いやすいです。8インチもありますが、大型犬専用と割り切ればそれでも良いかもしれません。
トイプードルのマズルや細かいデザインカットなら6インチ前後
カーブシザーのサイズは7インチ前後以外にも一回り小さい6インチ前後の鋏もあります。 小ぶりなトイプードルのマズルや頭、デザインカットをする時には6インチのサイズが適していますが、ストレートを使って仕上げる場合と比較して、そこまで時短になるかというと難しいところです。
ただ、プードルカットにセニングは使いたくない派なら6インチのカーブがあると便利だと思います。
好みのカーブを選ぶ
カーブシザーといっても鋏によってカーブの角度が全然違います。 緩やかなカーブのものもあれば、キツイカーブになっているもの。また、中間からカーブしているものもあれば刃先の方から急激に曲がる形もあったり。
上から順にカーブが強い鋏です。(上からinufuwari、Banana、ドッグウェル) 必要なサイズを決めたら次は鋏のカーブが自分にとって適しているのか考えていきます! 細かく見ると違いはありますが大きく分けると2つで
- 強いカーブ(写真.上の鋏2丁) カーブが強いほうが1回の開閉で角が落とせるので便利です。ただし、カーブの角度を意識して使わないと失敗するので慣れが必要なのと、これだけ鋏を大きく曲げるため作りのバランスは崩れやすいです。
- 緩いカーブ(写真.一番下の鋏) カーブが緩いのでストレートと同じように使えるので、幅広い部位で使えます。大きく曲げる必要がないため良い鋼材でも作ることができます。ただし、ストレートに近い形なので1回の開閉で角を落とすという点では弱いです。
強いカーブの方が時短になるので人気があります。ただし、鋏のバランスが崩れやすい。 緩いカーブのメリットとしては、ストレートと同じ感覚で使えるので色々な部位で使えるところですね。鋏のバランスが崩れにくいので永切れもします。 どちらが良いというわけではないので両方試してみるのが一番です!
カーブ鋏ブランドのピックアップ
保管してあった鋏を取り出して、自分が持っているカーブシザーをチェックしてみることに。
なんで無駄にカーブ鋏ばかりあるの?バカなんじゃないの? と言われそうですが、馬鹿だと思います。 左から
- inufuwari (6インチ)
- inufuwari (7インチ)
- Banana/鋏の若菜(6.8インチ)
- 手作り(6.2インチ)
- ドッグウェル/東光舎(6.9インチ)
- 白鳥/東京理器(7インチ)
はじめて買ったカーブシザーは白鳥です。 最後に自分がカーブ鋏をチェックする時の細かい部分をまとめておきます。
使いやすいハンドルは?
基本的にカーブ鋏は両面が使えるメガネハンドルになっています。
オフセットハンドル
仕上げ鋏はオフセットハンドルですが、オフセットのメリットは少しの開閉で鋏を大きく開けるので楽なこと、そして手首が固定されるので鋏がブレにくい構造になっています。 デメリットとしては手首が固定されるので、手首を柔らかく使って形を作るのが苦手です。
メガネハンドル
対してメガネハンドルは手首が固定されないので柔軟性があること。オフセットハンドルの鋏で、この角度で鋏を入れると手首が苦しい!!という場合もメガネなら苦しくないです。
デメリットとしては大きく開閉するのが苦手で、手首の固定がなくなるので鋏がブレやすくなります。 個人的にカーブ鋏のハンドルで持ちやすいと感じるのは、3Dメガネとコブ付きメガネです。
一番使いやすいのは3Dメガネハンドルです。 どんな体勢でも手にフィットするのが3Dのメリットですが、3Dタイプは基本的にハンドルは指穴が大きく、ゆとりがある形になっている事が多いので、手が大きくても使いやすいんですよね。
三角の山になっている部分をコブというのですが、コブがある形も持ちやすくて好きです。オプションでコブ付きが出来るなら必ず付けてもらいますが、あってもなくてもどちらでも変わらないという人もいます。
鋼材は?
カーブバサミは鋼を曲げなければならないため、あまり硬い鋼材を使うことが出来ません。特にトリマーが使うものはカーブが強いものが好まれるので、鋼材はステンレス合金がほとんどです。 その中でも鋼材で選ぶならスーパーアロイ(超微粒子特殊合金)のドッグウェル、ケリーは良い鋼材を使っていると思います。
特にドッグウェルは自社工場があるので、ペットブランドと比べて作りもよく開閉感と永切れに優れています。 作りも鋼材も良い鋏ですが、、大きな問題はカーブが緩いこと!
逆に緩い方が使いやすいという人もいるかもしれません。 トリマーで人気があるカーブ鋏といえばケリーですが、実はケリーを使ったことがないので、カーブがどうなっているのか知らないのです。
鋼材はたぶんですがドッグウェルと同じだと思っているので、ケリーのカーブ鋏がカーブが強いタイプなら結構魅力的だと思います。 もしも、ドッグウェルと同じカーブならドッグウェルの方がお得な気がします。
追記. 現在メイン使用しているカーブシザー
記事の内容が古かったので、追記で記載します。(2020年6月25日)
現在メインで使っているカーブシザーは2つで、「Pioシザー(グリーンマウスシザー)」「アメジストシザー(kissシザー)」。
どちらも製造元が人間の美容師さんが使うハイクラスの鋏をメインで作っていることもあり、鋏の作りが非常に良いです。
先ほどのカーブシザーの紹介に入っていない2丁です。どちらも硬い鋼材を採用しているので、切れ味もよく長切れします。鋼材の質が変わるので上記で紹介したカーブシザーよりも一つ高いお値段にはなります。
ストレートの代わりにも使っているのが、こちらのPioのカーブシザー。カーブはそんなに強くありませんが、開閉感が抜群でハードに使っても切れ味が続くたくましさがあります。一度レンタルして試してみるとスムーズな開閉感に驚くと思います。おすすめ。
6インチのカーブシザーで別に7.2インチのタイプもあります。
切れ味は先ほどのPioよりも柔らかい切れ味でシャキシャキ、サクサク切れます。6インチのサイズなので刃先までしっかりと力が伝わりやすく、小さくても全体を使って切れるのでこれ一つでも足一本仕上げられます。
Pioとアメジストのカーブのどちらが良いかというと、ハンドルと使用感に差があるので、それぞれ試してみることおすすめします!ただ、どちらを選んでも失敗はないと思います。